しおさい95号
2020年新年のご挨拶
新年明けましておめでとう御座います。
まずは当社海陸役職員各位が日々安全運航・安全作業を最重要方針として「タグの3ゼロ」を励行し、大きな事故も無く社業を全う出来たこと、また当社の業績回復に向けての奮闘に、心から感謝します。
2019年を振返れば、まず第一に2月に竣工したLNG燃料タグ「いしん」、海陸全社員が一丸となった船舶管理・安全運航への取り組みが挙げられます。
長年培った当社の経験と英知を注いだLNG燃料タグが無事に竣工し、着実に日々の実作業に従事してくれているのみならず、各地でのLNGバンカリング実証実験の成果は環境負荷低減を目指す当社に大きく貢献し、新たな価値を生み出しました。
一方、四囲の環境に目を転じると、米中の貿易紛争は未だ混迷を極めた状況が続き、また不安定な原油価格動向等が国内経済にも波及し、国内粗鋼生産は10年振りに1億トン割れとなる低水準、製造業の利益率も低下傾向となり企業の景況感の悪化等が当社グループの業績へも徐々に影響を与え始めました。
斯様な状況下、日栄グループとしては既存事業の強化による収益対策はもとより、新たな事業への挑戦、職場改革、業務の効率化等、実現可能な対応・対策を実施して行く考えです。
海陸間・部門間でのコミュニケーションの活性化による風通しの良い会社風土を作り、顧客からの信頼を得る為にあらゆる可能性を追求した営業活動、そして安全・迅速・正確、且つ質の高い作業を目指す。
新たな令和の時代に於いても歩みを止めずに次世代に日本栄船を繋げて行く為にも、一人一人が社業の発展に何を為すべきかを常に念頭に置き、法令遵守の徹底はもとより、誇りと自覚、そして使命感を持って一歩一歩前進して行きましょう。
最後になりますが、当社グループ海陸全役職員とご家族のご多幸ご健勝、そして当社グループ全船の安全運航・安全作業を祈念して新年の挨拶とします。
代表取締役社長 西尾 哲郎
いしん神戸港、名古屋港でバンカリング実証実験に参加 取締役 太田 正紀
LNG燃料タグ「いしん」は2019年2月27日の竣工以来、特に大きなトラブルもなく日夜、曳船・エスコート・警戒業務に活躍しています。
一方、世界を見渡すと、同年12月にはCOP25が開催され地球温暖化に対する取り組みがますます注目され、本年1月からの船舶燃料油の規制も強化されています。
このような中、LNG燃料船に対する官民の注目度は非常に高く、国内バンカリング拠点の整備には日本各地で港湾当局、エネルギー企業、海運会社がそれぞれ協力して取り組んできております。
このような時代の要請もあり、当社は2019年9月18日に神戸市港湾局の主催で神戸港新港第4突堤において、また同年11月8日には東邦ガス、商船三井の主催で名古屋港ガーデン埠頭において「いしん」へのTruck to Ship LNGバンカリング実証実験に参加し、それぞれ多くの関係者、見学者が見守る中、無事成功することができました。
通常「いしん」は大阪港松ノ浜岸壁で大阪ガス関係会社のタンクローリーを用いて月平均2回のLNG補給を行っていますが、今回の神戸、名古屋のバンカリングにおいてはそれぞれ異なる輸送会社のローリーを使用して行いましたので、岸壁の選定、ローリーの搬入経路、準備作業の進め方、バンカリングの手順、関係省庁への説明など事前の準備に数カ月を要しました。また、名古屋港においては名古屋港管理組合が主催する開港祭にも参加し、練習帆船海王丸の歓迎放水および展示公開にも参加し、多くの一般見学者に披瀝することもできました。
「いしん」の船名は商船三井の技術開発プロジェクト「船舶維新Next~MOL SMART SHIP PROJECT」からとっていますが、あえてひらがなにすることにより、「維新」のみならず「威信」「以心(伝心)」の意味にもとれ、まさに次世代の船舶燃料の開拓を進めるMOLグループの先鞭としての威信をかけた取り組みを無言で体現するいい名前となっています。今後、当社乗組員には順次研修等を受講してもらい、このプロジェクトの一翼を担っていただきたいと思っています。
「いしん」名古屋バンカリング 企画管理部 東瑛未
昨年11月、「いしん」LNGバンカリング実証実験にあたり名古屋を訪ねました。5月の新入社員研修の際はインフルエンザで途中離脱したため、今回は体調を万全に (?) 整えて臨みました。
7日は練習船「海王丸」の名古屋港初入港歓迎セレモニーで、名古屋市消防局の消防艇「金竜」と一緒に放水パフォーマンスを行いました。私は写真撮影のため、「いしん」に初めて乗船しました。LNGで動いている時のエンジン音がすごく静かでびっくり!乗組員さんに撮影スポットを教えていただき、撮影。岸壁では、平日にもかかわらずたくさんの人が海王丸を出迎えており、陸から撮影していた職員によると、地元で有名なジャック・スパロウの仮装をした人もいたそう…海王丸入港の後は「いしん」の名古屋港初入港歓迎セレモニーがおこなわれました。
8日はいよいよバンカリング本番。燃料となるLNGは、東邦ガス知多緑浜工場からタンクローリーによって輸送され、Truck to Ship方式で供給されました。この方式での実証実験は9月に行われた神戸に続いて2回目。各地で実験を重ねることで、国内LNG燃料供給拠点の形成を促進し、船舶用LNG燃料の普及と環境負荷低減に貢献する考えがあるそうです。私は建物の中で受付や会場案内をしておりバンカリングを直接見ることはできなかったのですが、たくさんの人が絶えず訪れていて、船舶用LNG燃料がそれだけ関心の高い事業であることを実感しました。見学者が見守る中バンカリングは無事成功し、名古屋港でLNG燃料を安全に供給できることが確認されました。さっそく夕方のニュースで報道され、船内歓喜!
今回の名古屋出張では、LNGバンカリングには、燃料の供給だけにとどまらない様々な目的があることが分かりました。普段お会いする機会の少ない乗組員さんともお話できて、とても充実した出張になりました。
東京支店移転
東京支店は昨年11月18日に商船三井ビルへと事務所を移転致しました。
今後、商船三井との連携をより一層深めることを目的として移転する運びとなりました。
新しい事務所は、地下鉄虎ノ門駅より徒歩5分の至便の地に立地致しておりますので、
お近くにご来訪の折には、是非お立ち寄り下さい。
新所在地
〒105-0001
東京都港区虎ノ門2丁目1番1号 商船三井ビル4階
電話番号(03)5545-3345
FAX番号(03)3585-1122
※電話・FAXとも番号が変更となりました。