しおさい97号
2021年新年のご挨拶
新年明けましておめでとう御座います。
まずは当社海陸役職員各位が日々安全運航・安全作業を最重要課題として「タグの3ゼロ」の励行を継続し、大きな事故も無く健全に社業を全う出来たこと、また昨年年初より蔓延する新型コロナウィルス感染症予防に於いても常に責任感を持って臨んでくれていることに心から感謝します。
さて、2020年は兎にも角にも新型コロナウィルス感染症対策・対応に緊張感を強いられた一年でした。
地球規模に拡大した新型コロナウィルス感染症の影響により国内外の経済・産業が低迷し、あらゆる物流を停滞させたことで我々の事業も多大なるダメージを受けました。
上期に於いては、緊急事態宣言が発出され各企業では在宅勤務が恒常化する中、曳船作業件数も前年同期比で8割まで落込み、日に日に緊迫感も増しました。
下期に入りコロナ禍が一旦和らぎを見せると経済活動も再開の兆しを見せると共に、各位の奮闘、また築き上げてきた顧客/関係者との信頼関係も一助となり、当社事業活動も徐々に回復に向かいつつあります。然し乍ら、まだまだ予断を許さない状況であると認識しています。
斯様な厳しい状況下で、一昨年2月に竣工したLNG燃料タグ「いしん」の実績が高く評価され、公益社団法人日本船舶海洋工学会主催の「シップ・オブ・ザ・イヤー2019」に於いて「作業船・特殊船部門賞」を受賞したことは、当社にとって大変栄誉なことであり明るい話題を齎してくれました。
これも常日頃からの海陸全社員が一丸となった船舶管理・安全運航・バックアップ等の取り組みの成果であると認識しています。
新たに迎えた本年、そして近未来は温暖化ガスゼロ・脱炭素社会の構築に向けて世界中が大きく舵を切り、デジタル技術促進、カーボンニュートラルを目指した自然エネルギーの活用、はたまた水素・アンモニア・メタノール等へのエネルギー源の転換と様々な変革が急速に進み、我々を取り巻く事業環境にも影響を及ぼして来ることは言うまでもありません。
更に我々曳船業を営むものでさえESG・SDGsを意識した経営を目指さねばならない時代となって来ています。
当社に於いては、目先の変化に惑わされ大きなモノを失わぬことを念頭に、選ばれし事業者たるが為に力を結集し、体力的にも身の丈にも合った準備を地道に進めて行きたいと考えています。
既存事業の強化による収益対策はもとより、新たな事業への挑戦、職場改革、業務の効率化等、実現可能な対応・対策を引き続き実施して行きます。
その為にも、海陸間・部門間でのコミュニケーションの更なる活性化、風通しの良い会社風土作り、あらゆる可能性を追求した営業活動、そして安全・迅速・正確、且つ質の高い作業を目指すこと。
一人一人が社業の発展の為に何を為すべきかを常に頭に描き、法令遵守の徹底はもとより、誇りと自覚、そして使命感を持って一歩一歩力強く前進して行きましょう。
最後になりますが、当社グループ海陸全役職員とご家族のご多幸ご健勝、当社グループ全船の安全運航・安全作業、そして一日も早いコロナ禍の収束を祈念して新年の挨拶とします。
代表取締役社長 西尾 哲郎
あけの丸人命救助についての社長表彰
去る2020年7月29日、名古屋港にてあけの丸が入港作業従事中に岸壁上の陸上作業員が海中に転落したことを発見し、直ちにパイロットに報告、本船主機の使用中止および自ら人命救助を行うことを具申し、許可の上、無事落水者を救助しました。
このことは、船長はじめ乗組員の安全に対する旺盛なる責任感とシーマンシップの発露であり、他の乗組員の模範となるものであり、船長ならびに乗組員一同に対し社長表彰を行いました。
発生日時:2020年7月29日(水) 07時25分頃
発生場所:名古屋港W-77岸壁
発生事象:綱取作業員が綱取作業中に誤って海中転落
対象作業:自動車専用船W-77入港作業中
水先人: 藤戸パイロット
経緯: 同日07時25分頃、入港押し付け作業時、本船艫側スタンライン取り作業を行っていた。綱取り作業会社の作業員(ライフジャケット着用)が誤って海中転落したことを発見、直ちに操船中の水先人に転落を報告し、本船主機使用の中止を依頼し、また下げ潮のため作業員が流されている(50m程)のを認めたため、水先人にタグラインレッコと救助の許可を申し出て、救助に向かった。同07時40分頃、タグの救命浮き輪を使用し落水者をあけの丸船横部より引き上げ、岸壁へ移送、他の作業員に無事引き渡した。
シップ・オブ・ザ・イヤー2019 LNG燃料タグボート「いしん」作業船・特殊船部門賞を受賞
商船三井が保有し、当社が運航するLNG燃料タグボート「いしん」が、「シップ・オブ・ザ・イヤー2019」において、「作業船・特殊船部門賞」を受賞しました。
商船三井がシップ・オブ・ザ・イヤーで受賞をするのは4年連続となります。
シップ・オブ・ザ・イヤーは技術的、芸術的、社会的に優れた船舶および海洋構造物の建造を促進するために公益社団法人日本船舶海洋工学会が主催しており、1990年から始まり今回で30回目になります。
「いしん」は、その環境性能はもとより、LNG燃料タンクが着脱可能であることに加えて、LNG燃料焚きでありながらもタグボートとして重要なパワー(押す・曳く)とスピード(エスコート作業も可能な高速航行と瞬発力)を兼ね備えていることなどが高く評価されました。
LNG燃料タグボート「いしん」内航船省エネ格付け最高評価を取得
「いしん」は、国土交通省が認証する、「内航船省エネルギー格付け制度」において、優れた環境性能が評価され、最高評価(重油使用時と比し二酸化炭素(CO2)排出量を20%以上カット)の星5つ(☆☆☆☆☆)を取得しました。
「いしん」は、同制度の暫定運用時にも最高評価である「星4つ」を取得しておりましたが、2020年3月の本格運用開始に伴い、今回、改めて最高評価となる「星5つ」を取得しました。